サントーシュが警察官として働き始めたのは、殉職した警察官の未亡人が職を継承できるという政府の制度のためだった。慣れない仕事に順応していく中で、彼女はすぐに、昔ながらの警察のやり方を体験し、そこに否応もなく参加することになる。性差別、汚職、権力闘争、そしてカースト制度や宗教による社会の分断。レイプされ、殺害され、地元の井戸に捨てられた、いわゆる「不可触民」である少女の死の捜査を、ベテランでカリスマ性のある女性警察官、シャルマ警部の指揮の下で担当することになったサントーシュは、彼女を刺激的な指導者であり、フェミニスト的な連帯の拠り所と見なすようになるが……。映画はあくまでもサントーシュ個人の視点を保ちつつ、彼女が何を受け入れ、内面化し、実践できるか、という感情の旅を描いていく。その過程で社会の腐敗を構造的で世代的なものとして描き出し、その複雑なニュアンスを見事な忍耐と厳格さで探求している。カンヌ映画祭のある視点部門で上映。第97回アカデミー賞国際長編映画賞部門のイギリス代表作品に選出されている。
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