厳しい世界だな
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年8月26日 07時39分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
資本主義っていうものの自由さと厳しさを思い知らされる映画です。自由さとは、今までなかったアイディアを出してそれを商売に生かして大成功する事です。ありそうでなかった調理から提供まで何十秒というシステム、食べる場所はベンチや車の中でフォークやナイフなどはなく食べ終わったら後はゴミ箱に捨てれば良いという、今では普通すぎるシステムで大繁盛していた兄弟。たまたまその店に自社の商品を複数台納品した主人公はあまりにもその斬新なシステムに驚くという前半のストーリーは、誰も嫌な人間がいなくて気持ちよく話が進んでいきます。ただここからアイディアをどう活かしていくかで、発案者の兄弟と主人公の考えが違ってくるのです。どちらの言い分も正しいですし、どちらに転んでもおかしくなかったと思います。ここで言えるのは、兄弟もフランチャイズ化を嫌がっていたという事ではないという事です。今でも店舗数を増やすと味が落ちるから嫌だという料理人が時々いますが、それと同じ理由で店を増やさなかっただけなんです。そこをクリアした主人公は、マクドナルドというネーミングも含めて全てを手に入れてしまいます。兄弟達の店の前にマクドナルドの店ができるのですが、これは弱肉強食の資本主義の一端を見させられてるような嫌な気持ちになりました。ただ全国展開できるように奔走した創業者がいたという事も、また事実なんです。