笑いもあるけどしっかりした時代劇
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年8月12日 08時26分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
時代劇はコメディになりすぎるとあまりその時代を感じる事ができなくて没頭できないのですが、この作品は三谷幸喜作なのでバランスが絶妙ですね。
映画のDVDのパッケージで使う写真があってここに主だった出演者が出ているのですが、これが役柄の性格や雰囲気をすごくあらわしています。この顔をインプットして作品を楽しんでみると面白いですよ。舞台はほとんどが城の中での人間もようを描いているのですが、これが社会の縮図というか人のいやらしい面が沢山見えてしまいます。信長という絶対的な君主が亡くなった後なので、自分の立場をいかに有利にして力を維持したり伸ばそうとするかそこが面白いのです。
個人的には妻夫木の演じた役は、彼の笑顔が最大限に活かされていました。映画の中でよくわからないチーム対抗戦みたいのを砂浜でやるのですが、その時の笑顔を是非見てみてください。彼の素敵な笑顔が、役柄だけであんなにバカっぽい笑顔になるのかと驚きました。
三谷作品は、役者のいい面を引き出すのが上手いです。跡目争いで上手くいかなかった方は嫌な思いしかしないのではと思ってしまいますが、この作品は結論が出たら後はみんなが納得して地元に帰るという清々しさを演出してくれていました。