雨の描写が素晴らしい映画
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年6月18日 17時28分
役立ち度:0人
総合評価:
3.0
靴職人を目指す高校生のタカオは雨の日は授業をさぼり庭園で靴のデザインを考える日々。そんな彼はある日、昼から酒を飲んでいるユキノという女性に出会う。どこかで会ったかとタカオが聞くと、ユキノは万葉集の短歌を言い残して去る。雨の日になるたび会うようになる2人だが、やがて梅雨が明ける。
そんなふうにして物語は始まります。
大きな事件が起こるわけではないので、ハラハラドキドキ系が好きなかたには向かないかもしれません。
この映画は、とにかく雨の描写が綺麗で、素晴らしいです。
ストーリーは淡々としていますが、こんな学生時代だったら良かったなあという気持ちにさせられます。
学校をサボっている生徒が万葉集の歌を聞いても、あまりぴんと来ない気がするな、とは思います。日本のどこかでは、こんなふうにして生まれるうつくしい恋愛もあるのかもしれませんね。タカオのまっすぐさも、ユキノの弱さも、とても良く分かるように感じられます。
リアルさがあって、切なくて、良い物語です。