切なさ100%
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年9月14日 20時04分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
死んだ人ともう一度会えたなら…
この映画をみてそう願わずにはいられませんでした。
“つなぐ”を通じて死者との再会を望む人物が3人登場するので、1つの映画ではありますが、
短編小説が3つあるような感覚で、非常に見やすい作品だと思います。
私は原作を読んでから映画を見ましたが、内容も原作に沿ったストーリーですし、自分のイメージ
していた配役と大きなずれもなかったので、原作ファンの方も楽しめる作品だと思います。
この作品を一言で表現できるなら「切な(刹那)い」です。
確かにたとえ一度だけでも死んだ人間と会えるのは嬉しいですが、会えるのは夜が明けるまでの
短時間(刹那)で、一度会ったら余計に離れがたくまた会いたくなってしまいます。
もう一度会えることと引き換えに2度の別れを経験しなければならない登場人物達の心情を慮ると切なくてたまりませんでした。
この生きている人間と死者を一度だけ再会させることができる“つなぐ”という仕事の秘密、
そして“つなぐ”として働く渋谷歩美の過去に、このお話の原点があると思います。
“つなぐ”という仕事を通じて、渋谷歩美は死者との対面を望む3人と、そして対面を承諾した3人の死者と出会います。
この経験が彼の心情にどんな変化をもたらすのか…
彼の心の動きの変化にも注目です!!