切ないけど共感できる。
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年6月16日 15時38分
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総合評価:
4.0
原作を読んでから見たのですが、切ないシーンも含め面白かったです。森山未來さんが主演の貫多の役ですが、その日暮らしの日雇いで食いつないでるどうしようもない若者を演じています。父親が性犯罪を犯したことを知って、余計にこの世の中をひねくれた目で見ています。その日稼いだお金も酒代に消えていくようなどうしようもない毎日です。原作の作者である西村賢太さんがほとんど同じような境遇で、父親が性犯罪で捕まったようなので、この貫多の気持ちがリンクしているんだろうなと感じました。もう自分は生きる価値がないようなくらいまで、気持ちが沈んでいて何だか気持ちがわかるような気もしてしまいます。同僚?(仲間)で高良健吾さんがでてきますが、この俳優さんもいい演技ですね。少しみすぼらしいというかダサイというか、なんともいえない二人の絶妙な距離感も面白いです。作者の西村さん同様、貫多も小説を書いています。もう自分にはこれしか残っていない、というような感じで終わっていきます。どこか切ないんですが、共感するシーンも多いように思えました。