ナチスによる迫害がわかる
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年2月23日 13時42分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
第二次世界大戦中に、ナチスドイツに奪われた名画が現在オーストリア所有物として博物館に飾られているのを、所有者である正当性を主張して返還を試みるアメリカ人老女と若手弁護士のストーリーです。この映画は実話に基づいたストーリーです。映画をとおしてナチスドイツの人種差別的なユダヤ人への迫害が伝わってきます。ナチスに制圧されてしまったオーストリアのウィーンでは、ユダヤ人がどのように身を隠し、そして海外に逃亡する過程というのがわかります。ナチスドイツの侵攻の影響で人生が大きく変わり、また家族を含めた知り合いとも今生の別れとなった者が多数いたのかと思うといたたまれません。第二次世界大戦の爪痕は戦後にきちんと整理すべきですが、映画にあるオーストリアのように誠実な対応がされていない出来事は多数あると予想され、一つ一つ解決が望まれます。映画ではウィーンの街並みが多数描画されましたが、美しい街だと実感でき、そのような町でナチスによる非人道的な行為があったかと思うと信じられません。