橋と眠る

跨線橋（こせんきょう・線路をまたぐ橋）のある町。間もなく取り壊される橋は、町の人々の人生を見守っている。\n今橋渡（いまはしわたる）は悩んでいた。家族はちょっとした意地の張り合いで崩壊寸前。\n父と母は別居し、母はアル中になり、妹の美由（みゆ）だけが家族再生に奔走する中、渡自身は病院で重い宣告を受ける。\n恋人で漫画家の理恵（りえ）はデビュー後のプレッシャーに耐えられず薬物に頼り幻覚に苛まれている。\n自分の在り方を探しながら不器用に生きる渡、家族、恋人。橋は取り壊しが近づき、人々の人生がそこに交錯する。\n橋とそれを渡る魂たちの切なく不思議な物語。今はもう渡ることの出来ない三鷹跨線橋への哀惜と賛歌！