見てよかった、小説のような映画
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年5月18日 09時51分
役立ち度:0人
総合評価:
5.0
動物+冒険ファンタジーかと思って見始めたが、そんなことはなかった。小説を読んでいるかのようでした。
宗教的な背景は詳しくはわかりませんが楽しめました。ターナーの絵画の中のようで、色彩がとにかくきれい。
ここからはネタバレなので、悪しからず。
この作品の一番の肝は、最後のパイの発言です。その意味がわかるとゾッとします。
結局、ファンタジーのような漂流の描写は、暗喩してたということです。船が沈没した後、パイの小舟にのっていた動物たちですが、
オランウータンは母親、シマウマは日本人、ハイエナはコック、そしてトラはパイだと辻褄が合います。過酷な状況で漂流する中で争い、パイ以外は死んでしまう。そして、ミーアキャットの島のシーンは、パイが母の屍肉を食べたということになります。
宗教・哲学に熱心だったパイですが、生き抜くとはどういうことか、考えさせられる作品でした。長いけど見て良かった。久々に興味深い映画でした。