母とは親とは・・と考えさせられました。
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年2月12日 17時49分
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総合評価:
5.0
主人公の恵理菜は、結婚している男性との間に子供ができてしまう所が、自分を誘拐して4年間育てた父の愛人だった女性・希和子と、血はつながっていないけれどよく似た人生を送っているのが悲しかったです。
その希和子と小さな恵理菜との逃避行は、ずっとその結末が気になって目が離せませんでした。小さな恵理菜を観ていると希和子を母と慕うシーンがとても可愛く、余計に切なく感じました。そうして二人が最後にたどり着いた瀬戸内の島で、落ち着いた暮らしがやっと出来たのは、いけない事をしているのですがホッとしました。
そんな昔の自分達の軌跡を辿る旅は、忘れていたと思っていた過去の景色が思い出されてきて、もう一度原点に戻れて良かったと思いました。
しかし、最後にフェリー乗り場で希和子と小さな恵理菜が分かれる事になったシーンは、希和子の母としての辛さが最大限に出ていて、涙なしでは観れませんでした。
恵理菜がその最後の写真を撮った場所も思い出し、当時の二人で撮った写真を見る事ができたのは、漠然とした自分の過去に確たるものを与えてくれ、これからの彼女の人生にエネルギーを与えてくれるものとなったと思いました。