相手を知ろうとしなくなったのは何故だろう
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年1月13日 12時14分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
スランプに陥っている作家とその隣に住む激しく布団を干す主婦との激しく切ないバトル。
日々の生活や仕事で追い詰められている作家の主人公は心に余裕がなく、いつの間にか自己中心的な人間になってしまっている。人間、余裕がなくなると相手を思いやる力が弱くなってしまう。
ふたりの主人公のそれぞれの視点から見れば、それぞれ理解できる行動であるのに、思い込みや誤解で全てが悪いほうに転がっていってしまう。もし自分が当事者であったらとても辛い生活だと思うが、この映画ではそれをコミカルに苦しくなりすぎないテンションで描いており、対峙する主人公ふたりのどちらにも共感できた。
ふたり以外の登場人物も面倒臭そうだったり嫌な面の輪郭を立たせてあるので、やな感じ!やな奴!と思うし、ネットやメディアはなぜ時にこんなに非人間的なのかと、恐いし腹が立つ。
ラストに近づくと、さすがに胸がギューッと苦しくなることもあり、どうなってしまうのかドキドキしましたが、ラストは感動的で人間もそんなに悪くないかと思えました。
低予算作品ではありますが、脚本がすばらしく、人間関係を考えさせてくれる作品でした。
イメージワード
- ・楽しい
- ・悲しい
- ・笑える
- ・泣ける
- ・恐怖
- ・絶望的
- ・勇敢
- ・切ない