エンタメと社会性のバランス感のある良作
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年1月21日 15時21分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
この作品は天野監督という女性の監督が撮られた一本で、ある意味女性だから描ける女性の滑稽さを上手く表現していた一本だと思います。
個人的には今年の邦画の中では5本の指に入る良作でした。
ご近所トラブルがやがて大きな騒動となり、社会を巻き込む一大事となっていくのですが、小さな話に終わらせず、誰が観ても楽しめるエンターテイメント性の高い作品に仕上げた手腕を見ることができます。
社会的なメッセージを持ちつつもコメディ作品としての面白さは失わない、素晴らしいバランス感で作られています。
物語の終盤に差し掛かっても次の展開が読めず、最後までワクワクさせてもらいました。
一つの出来事をとっても、見る人の立場によってこうも見え方が違うものかと思いました。
ことの発端となる騒音おばさんとその夫、そのお隣に住む作家の女性とその旦那、そしてその娘、それぞれの見方があるので、「この人の視点に立つとこう思うよね」「この人のこの行動は許せない」など、観た後も様々な視点から語ることのできる作品でした。