使命と情の折り合いの付け方に納得できるか
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年8月16日 16時27分
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総合評価:
2.0
大阪国の存在意義とそれを信じる理由が弱い。しかし、大阪国の人々は頑なにそれを信じて一致団結しているのだから、ある種の宗教のように思えた。
そういうものは価値感によるもので、本来ならば強い弱いなどと言えるようなことではないのだが、これは物語であるため、動機の部分が弱ければ、観ている側はスッキリとしないだろう。
松平は最後、「大阪国の存在意義は分からないが、それを信じて守り抜こうとしている大勢の人の存在は分かった。」と言っていた。
だが、信じて守り抜こうとしている大勢の人々の存在は、大阪国の存在を認める理由にはなり得ないと思う。
松平も言っているように、大阪国の存在については疑問を持つ。
しかし、そこを判断して正当な支出であるのかを、中立的な立場から判断するのが会計検査院の仕事ではないのか。
そのために松平たちは大阪へやって来たのに、熱意に押されて、結局は見なかったことにしたという職務放棄的な結末は拍子抜けであったが、エンディングで堤真一が徳川方武将として登場し、豊臣を見逃したシーンの存在によって、なるほど と思えた。あのシーンがなかったら、意味が分からない納得できない作品になっていた。