人を愛する気持ちを考えさせられる作品
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年1月21日 02時16分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
主人公の葵海は、どうやってもある日時になると死んでしまいます。
葵海のことが好きな陸の家には、時を戻すことができる不思議なレコードがありました。
陸はそれを使って、何度も葵海を助けようとするのですが、死因は変われど必ず死んでしまいます。
君と100回目の恋
陸の葵海を助けるための時戻しは、タイトルのとおり100回続きます。
どれだけの愛があれば、好きな人を助けるために1人で100回も時を戻せるのでしょうか。
そして、その度に好きな人が死んでしまうのは、どれだけの悔しさと悲しみでしょうか。
2人の気持ちを考えながら、絶対に幸せになってほしいと願いながら見ていました。
映画の冒頭では、あるキッカケで葵海も一緒に時が戻ります。
そして、陸が自分をずっと助けようとしてくれていたことを知ります。
自分が死ぬのを好きな人が助けようとしてくれているというのは、嬉しさと申し訳なさと、自分が死ぬことへの怖さで複雑な気分だと思います。
2人には、当たり前の明日がやってきません。
自分が当たり前に毎日を生きているのが、当たり前に好きな人と過ごせるのが、どんなに有難いことか考えさせられました。
陸の母親は既に亡くなっています。
陸は、母親が亡くなってしまった時に父も、何度も時を巻き戻して助けようとしたことを知ります。
死んでしまうのは運命で、それをどうにかすることはできないのだそうです。
それでも絶対に葵海を助けようとする陸ですが、葵海は、自分が亡くなったあと陸がしっかり生きていくことを望みます。
自分が亡くなってしまうのに、愛する人には未来を生きてほしいと望む気持ちが分かって、胸が切なかったです。
恋をして、愛する気持ちを知っている人には、陸が葵海をどうしても助けたい気持ちも、葵海が陸に未来を生きてほしい気持ちも分かってどうしようもない気持ちになると思います。
でも人を愛した気持ちが分かる人でないと、最後が退屈な作品かなと思います。
愛する人を助けようとして、でも結局助けられないで終わる映画なので。
どうしても助けたいと思っていた陸の気持ちが、報われてほしかったなと思いました。
結局葵海は死んでしまいます。
ですが、陸が何度も時を巻き戻したおかげで、2人は気持ちを伝えあえたし、気持ちの変化もあります。
意味をたくさん考えられる作品でした。