「笑いどころありのテンポの良さがいい」 SING／シング前川知恵さんの映画レビュー

SING／シング SING

笑いどころありのテンポの良さがいい

このレビューにはネタバレが含まれています

前川知恵

2020年7月9日 16時41分役立ち度：0人

総合評価： 3.0

コアラにゴリラに動物だから面白いのか、それともキャラクターが魅力的なのか。奇想天外のストーリーの中でじわりと涙したり、くすくす笑えたり、テンポもノリもよく慌ただしい。それはまるで人間の世界のようだ。社長のコアラは父親が懸命に働いて買ってくれたという舞台を手放すことはできず、あれこれと奮闘していく健気さはいいけど、結構地に足ついてなくない？てツッコミどころも多い。三流社長ってこんなもんなんだっていう感じに走りまわり、せこくて、適当。
それでも普段は多忙でも一人事務所にいるとき、心の中を見つめては父への感謝を忘れない。コアラは際立って目立つキャラだけど社長だから。キャラクターではそこにいる長年働いているというお手伝いさんばりのおばちゃんのキャラが一番いけていた。その次は、ギャングのゴリラ。彼の出番はすごかった。逃走してまでステージを目指そうとする様子もすごかった。なんだかんだとギャグも含めてハチャメチャ騒ぎで、ラストハッピーエンド。
ごちゃごちゃしているように見えても、一匹ずつのキャラが個性的。結局社長も主婦もギャングも能力は等しくて苦労するんだっていう風に思えた作品。そう構えずに気軽に見て笑うべき。