ソルジャーブルー
この映画「ソルジャー・ブルー」は、1864年のコロラド州サンドクリークで、600人のシャイアン族が、騎兵隊によって虐殺された史実を、忠実に映画化した問題作ですね。 白人の都合のいいように解釈されて来た、"西部開拓史"を、「野のユリ」「まごころを君に」のラルフ・ネルソン監督は、ラスト15分間の凄絶な残虐シーンの中で、痛烈に告発しているのです。 人間の歴史に戦争はつきもので、そして戦争にジェノサイドはつきものです。 アメリカ合衆国の建国史における恥部とも言える、シャイアン族虐殺事件である、サンドクリークの虐殺を、スクリーンにリアルに、そして怒りを込めて繰り広げた、ショッキングな映画、それがこの「ソルジャー・ブルー」だと思います。 こんな映画を作ってしまったら、"西部劇"も、もうお終いだよ、というくらい衝撃的な西部劇映画なのです。 かつてのアメリカ映画の西部劇では、インディアンが敵役となって、バタバタと倒されていく映画を数多く観てきた私にとって、この映画を初めて観た時の"カルチャー・ショック"は、言葉では言い表せないくらい、衝撃的なものでした。 特に、この映画の白眉とも言える、ラストのクライマックスの騎兵隊による凄絶な虐殺シーンも驚きでしたが、キャンディス・バーゲンが演じる若い白人娘の役柄も、それまでの西部劇では、ほとんど見かけないものでした。 インディアンにさらわれた白人の娘は、"悲惨"でなければならなかったのですが、彼女は大違いです。 インディアンの文化の"良き理解者"となり、白人の非に対する"激しい告発者"となっているのです。 一方、ピーター・ストラウスが演じる若き騎兵隊員のホーナスは、父をインディアンに殺されたので、インディアン憎しに凝り固まっています。 そんな"違った視点"を持った二人が、インディアン虐殺の"目撃者"となるのです。 そして、これを契機にホーナスは、自らの過ちを知り、反逆罪で捕らわれることになります。 この見るも無残な虐殺シーンは、現在から見たら159年前の生々しい再現であると同時に、公開当時のヴェトナム戦争におけるソンミ村虐殺の、同時代ドキュメントでもあったのだと思います。
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