こんなに美しく、可愛い少女がいたのか!と驚きます
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年9月12日 22時40分
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総合評価:
4.0
文化大革命により、農村に戻るユーシェン。実は自分の父と母には、初恋の物語がありました。
遠い昔に小学校が建てられるようになったことから、父・チャンユーはこの土地にやってきました。そんな彼にほのかな憧れを持ったのは、村の娘・チャオディ。しかし、当時は田舎で思いを伝える術もなく、互いにすれ違うたびに顔を赤くするのが精いっぱいでした。
しかし、革命によりチャンユーは再度都会に戻されてしまいます。思いを伝えていないチャオディは、それでも彼の帰りを待ち続け彼のための食事を用意して、村で待ち続けたのです。
やがてチャンユーはチャオディのもとに戻り、ふたりは結ばれます。息子のユーシェンはこの話を聞いて、ふたりの人生において都会へ続く道がどれほど大切だったかを悟りました。
そして都会に戻る前にユーシェンは父親と同じように、田舎で授業をしてから帰ることに決意したのです。
とにかく、チャン・ツィイーが愛らしい!ひたむきに都会の先生に憧れる様子が、よく描かれています。それまで暗い着物を着ていたのが、恋をした瞬間あざやかな桃色に変化するのも心情がよく表れています。
政治的背景などもあるので、うまく恋愛感情を表現できない中国映画ですが、とにかくこれはさわやかで清らか。ただお互いの視線を交わすだけ。それだけなのに、見る側に思いが伝わってくるのは素敵なことです。
チャン・ツィイーの若々しさや美しさもこの時が絶頂期で、本当に素朴で純真な田舎の女性を上手に演じています。台詞も多くはありませんが、仕草や視線で恋心を伝える様子にはぐっとくる人が多いことでしょう。