登場人物全員の裏の顔が怖い
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年2月18日 13時00分
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総合評価:
4.0
幸せを絵に描いたような一家が全員殺害され、その真相を雑誌編集者を演じる妻夫木聡が暴いていくというストーリーです。真相を暴いていくにあたり、妻夫木がインタビュー等で接する登場人物はみんな裏の顔があり、鑑賞していて恐ろしくなってきました。人間は誰もが周囲には知られたくない、裏の顔というのは持っているものと思いますが、ここまで人間性の腐った者だらけだと、人を信じると良いという発想は全否定しなければならないくらいでした。映画内容についてはインタビューに当たって、登場人物の大学時代の回想シーンがありますが、大学生の生活とは思えないくらい、金持ちの大学生活がありました。私は地方の大学出身でありますが、東京のお坊ちゃん、お嬢様大学だと映画にあるようなバブル時代を彷彿させるような生活だったのかなと羨ましく思いました。この映画の個人的な一番の名シーンは、ネタバレになってしまうかもしれませんがある者が殺害されるシーンです。殺害シーンは音声が何もなく不気味さが増しました。また殺害するにいたる動機については鑑賞者がいろいろ妄想でき、かつ妄想できる間合いがあったので、一番印象に残っています。個人的には数ある映画の中でもトップクラスの名シーンではないかと思います。登場人物の人間性に難がある者だらけであるので、全体として暗い雰囲気の映画ですが、このような世界もあるのかなと思いながら鑑賞すると、ストーリーや伏線はしっかりしているので十分に楽しめる映画でした。