事前の勉強が必要
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年9月7日 10時26分
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総合評価:
4.0
冒頭、イギリス外務省の会議に出ていたジョーンズが、クビになるやいなや、「スターリンにインタビューしたい」と共産国家ソ連へ向かう。あれこの人、官僚じゃないの??というあたりから戸惑います。
主人公は実在したジャーナリストで、ソ連の繁栄の陰に隠されたウクライナの大飢饉を潜入取材する、というくらいの予備知識はあった方がいいでしょう。
もっと言うと、「ホロドモール」といわれるこの大飢饉とスターリンとの関係、ポーランド人監督がこの映画を撮る意味、などなど、より深く理解するためには、ソ連、東欧の現代史をざっと予習しておいた方がいいと思います。
とはいえ、予備知識なしでいきなり観ても、見ごたえ十分です。大飢饉の中をサバイバルする少女と弟。あどけない少女がふるまったスープの肉は…など想像を絶する過酷さは衝撃的です。
そして、「赤い闇」に迫ったジャーナリストは殺され、ソ連礼讃のニューヨーク・タイムズ支局長はピュリッツァー賞受賞を受賞し…と、フェイクニュースが問題になっている昨今、あるべきジャーナリズムとは?などと考えさせられます。