社会の片隅にいる人達の苦悩を描いた作品
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年2月23日 20時05分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
幹生は知的障がい者である兄の実生と二人暮らしをしています。性欲処理ができない兄のためにデリヘル譲のマリンを家に招き入れたことから始まります。
幹生を演じる小林且弥さんの演技は苛立ちや繊細さ、優しさ、人間の奥にあるものを細かく表現されていて本当に胸が打たれます。
障がい者の方のお話を題材にする時は視点がその題材にしか注目してしまうような描写や場面ばかりですが全体的な社会の片隅にいる人達の苦悩も描いていて
素敵です。しかし実生が18歳の時にレープした少女の父親に謝罪に行った時に幹生が刺されなければいけなかったのかが納得いきませんでした。
幹生が可哀想に思えました。
しかしその時警察沙汰にしなかったことで兄の犯した罪が大きくならないようにするための幹生の優しさを表現しているのだと思います。
小林且弥さんが演じた幹生だからこそ人間臭さがあり素敵です。人生で絶望した時に感動や勇気をもらえる悲しいけど、温かい作品です。