映画館に届けられたフィルムのリールセットには、デヴィッド・リンチ監督本人が世界中の映写技師に特別な指示を与えるメモのコピーが含まれていた。具体的には、フィルムをスクリーンの中央に垂直に映写するのではなく、映写技師の俗語で言うところの「allow more overhead(もっと高めにする)」、つまりフレームの上部を下部よりも多く見せるように、というものだった。これは本作がもともとテレビ用に作られ、1.78:1(または16:9)のアスペクト比を念頭に置いていたためである。映写技師による手動補正がなければ、劇場公開時のアスペクト比(1.85:1)ではスクリーンの上部で頭が切れてしまっていただろう。リンチはまた、映画上映時に劇場の音響システムの音量を3デシベル上げるよう要請した。メモの最後には「Your friend, David Lynch.(あなたの友人、デヴィッド・リンチ) 」と書かれていた。