80年代への憧れ
2021年8月18日 15時31分
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総合評価:
5.0
相米慎二監督らしさ抜群の一作。初めて見る人、映画に不慣れな人は一回見ても「え、ナニコレ?」としか思わないかも。何もかもがめちゃくちゃなのにとてつもなく面白い、破天荒な作品です。
冒頭の長回しでもうこれは相米監督だ…!という感動に包まれます。ほかにも監督の特徴的なシーンは多く、これが相米慎二かぁと納得できます。
内容も奇抜で斬新な設定やシーンばかりなのに、なぜか妙に胸に迫るリアルさ。監督の作品には死に近い人が必ずと言っていいほど登場するけれど、今回の藤竜也と伊武雅刀は最強。恐怖と穏やかさと速さと、なんと言い表せばいいのかわからないが、とにかく観てほしい!また永瀬正敏の初映画作としても有名な今作ですが、彼自身過去のインタビューで強烈な印象を持っている、学んだことがたくさんあると明かしていた本作。彼の光り出した才能を観ることができ、感無量です。
挿入歌が来生たかおなのも素晴らしい。80年代の日本に憧れを持つ身として、こんなに愛おしい映画はありません。