大阪の1つの家族の物語です
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年2月9日 10時24分
役立ち度:0人
総合評価:
3.0
大阪の世界観にどっぷりと浸かれました。主役の池脇千鶴ほかみんなが若くて新鮮に観られました。そして、古き昭和の雰囲気が満載なのも面白かったです。
田中裕子と沢田研二が夫婦役というのもまた興味深く観られました。
その娘の14歳の若菜の語りで始まり、またそれで終わるという、少女目線で進んでいく物語でした。多感な少女の気持が多く語られていて、その彼女は親よりも大人っぽい感覚を持っているように思え、対して夫婦漫才を生業としている両親・はる美とりゅう介はそれぞれの自分の人生を淡々と生きている様子に見えました。
でもその生活風景は、狭い部屋で親子皆でお布団に潜り込むというほんわかとしたシーンもあれば、夫婦だけで電車に乗るシーンでは、さっきまで若い女性と楽しそうにしていたりゅう助なのに、妻を横にしてはつまらなさそうな雰囲気だし、はる美も舞台以外ではどちらかというと無表情で、若菜がしっかりしていくのも分かる気がしました。
愛人との間に子供を作ったものの逃げられたりと、むちゃくちゃな生活をしていたりゅう助が亡くなってしまった後の、お葬式でのはる美のお墓を建てる話がじーんと来てしまいました。