血なまぐさい、男たちの世界
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年8月13日 22時11分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
芸能人としても有名な北野武が、映画の監督兼俳優として携わった作品。『全員悪人』というキャッチフレーズがここまでしっくりくる作品なんてそうないと思いました。
出演されている俳優陣はみな口が悪いキャラクターを演じています。「バカヤロー」「コノヤロー」は3分に一回は言ってるのではないでしょうか(笑)。汚い言葉を使って虚勢を張らないと生きてはいけない世界・生き残ることができない世界が、映画の中にうまく再現されていました。私たちが普段見ている世界の裏では、もしかしたらこんなことが平然と行われているのかもしれない…なんて思ってしまいます。裏切りや駆け引き、騙しあいや権力争いがこれでもかと詰め込まれ、血なまぐさく、無常な男の世界がとても印象的です。
さすがヤクザものというか、血は飛ぶし、指は飛ぶし、死体もたくさん出てきます。ネタバレにはなりますが、主要人物の水野(椎名桔平)がむごい殺され方をしたシーンは印象深いです。
アウトレイジのテーマ曲の、どこかこちらに不安を与えるような重厚なサウンドはこの作品にとてもあっているなと思いました。