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「感想」 シン・エヴァンゲリオン劇場版 さやさんの映画レビュー

シン・エヴァンゲリオン劇場版 Evangelion: 3.0+1.0 Thrice Upon a Time

感想

このレビューにはネタバレが含まれています

2021年8月31日 17時01分 役立ち度:0人
総合評価: 4.0
一言で感想を述べると、「違和感」であった。
テレビ版から新劇場版まで、それぞれ十数回は観たであろう身から言わせてもらうと、これがエヴァの最後だとは信じられない、という思いである。では、何故そう思うのか。
前半は所謂「エヴァらしさ」が散りばめられていた。唐突に始まり視聴者を置いていく戦闘シーンから始まり、その後は時間をかけて主人公が自身の心の傷と向き合っていく。また、あらゆる場面で見事に伏線が回収されていった。ミサトとその子供のシーンは特に印象に残った。
だが、私が違和感を感じたのは後半である。ミサトがガイウスの槍をシンジに届けるシーンでは、槍の建造方法があまりに抽象的で、何度見ても理解が追い付かなかった。少なくとも庵野監督の描きたいものとは異なるように感じた。
エヴァ作品の真骨頂は、庵野監督自身の心の内にある孤独、他者との交流に対する不安、承認欲求など人間が誰しも感じるであろう「闇」の部分が主人公である碇シンジに投影されているところだと、私は思う。監督はそういった感性が特に繊細であって、そのことがエヴァ作品からひしひしと読み取れるのである。人間の持つ他者との壁、それを受け入れる葛藤がエヴァの描き出す本質と言って良いと思う。
テレビ版、旧劇場版においてはこれらを感じられるシーンが多く、視聴者に大きな衝撃を与えた。この衝撃を待ち望んでいたがために、私はこの作品に対する違和感を感じたのかもしれない。
主人公が前半で失語症に陥るほど精神に異常を来たしていたにもかかわらず、突然他者との接触を恐れなくなったことは、これまでの作品ではまずありえないことだろう。ここで主人公の心の内が詳細に描かれなかったのは、過去の作品に対する批判などが影響しているのかもしれない。昔の作品が大好きなファンからすると、とても残念である。
ただ、そういった点は過去の作品と比較してしまったからこそ生まれる違和感であり、この作品一つに焦点を当てるならば、間違いなくアニメーションの技術が凝縮された至高の作品である。映像の美しさ、デザイン、BGM、すべてが美しく印象的であった。
所見では気付かないような細かな仕掛けや複線回収にあふれた作品であるため、何度も繰り返して観ることをお勧めする。
詳細評価
  • 物語
  • 配役
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  • 演出
  • 音楽
イメージワード
  • ・泣ける
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