痴漢冤罪の扱いについて疑問を投げかける作品
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年2月21日 21時33分
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総合評価:
4.0
痴漢と間違われて逮捕・起訴された男性の裁判の様子と、男性と周りの人間の心情がとてもリアルに描かれている作品だと思います。モデルは実在の冤罪事件で、別の冤罪事件についても触れられています。見ていて憤りを感じるシーンがありますが、これが現実なのだと思い知らされました。
男性側の視点で描かれていて同情する部分が多いですが、被害者側に非があるという感じではなく、このような痴漢冤罪事件の問題点がどこにあるのかという部分に焦点が当てられているように感じました。でも最後のシーンには思わず涙がこみあげてきます。作品の中では痴漢冤罪は本人だけではなく本人の周りの人間にとっても重大な問題であることが描かれています。同じような事が現実世界にも起こっていると思うと決して他人事ではないと感じます。
裁判に出てくる専門的な言葉や手続きなどが分かりやすく作られていたので理解しやすい映画だと思いました。説明が必要なシーンなども端的に表現されている印象があり、映画全体の流れやテンポが良くて見やすい作品だと思います。