YUIの歌声に魅了されました
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年1月1日 18時41分
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総合評価:
3.0
タイヨウのうたというタイトルなのに主人公の薫(YUI)は太陽光線に当たると大変なことになる奇病におかされていて日中は外に出られない。でも歌うことを生き甲斐にしている彼女は夜に駅前で今夜も歌う。そのYUIの歌声といい歌詞といい何だか聞き入ってしまって抗い難い魅力があります。
フトしたことから同じ高校のクラスの孝治(塚本高史)を好きになってしまう。この辺りの展開は割とベタですが、塚本の演技が今どきの高校生っぽい感じがして自然と入っていけました。序盤は薫は普通に夜出歩いているから病気の事なんてあまり実感が無いんですが段々と病が進行していきます。いろんな見方があると思いますが、これは薫が自我に目覚め、様々な感情で大人へと成長してしまったために病の進行も早まったのではないのではないかと思ってしまいました。
見ている方もレコーディングした辺りから、今までの不遇な境遇と、才能が開花しようとしている暗と明の展開からどうなってしまうのだろう?とドキドキしてきます。
いつものようにギターを弾いていたら違和感を覚えた時の薫が指を見つめるシーンは一体その時に何を考えたのかを想像すると切なくなります。
孝治のサーフィンを初めて見たときのシーンは何だか見ていられませんでした。
ラストは意外なほどアッサリしていますが、そこにはつい昨日まで聞こえていた薫の歌声がもう無くなったのだという不在感を否が応でもつきつけられるという監督の演出なのかなと思うと一層の切なさがこみあげてきますが個人的にはもう少しだけ孝治とのしーんがあっても良かったのかなとも思ったりしました。
この映画はとにかくYUIの歌声の魅力に尽きる作品だと思います。