「ノスタルジックを味わえます」地下鉄（メトロ）に乗って美猫さんの映画レビュー

地下鉄（メトロ）に乗って Riding the Metro

ノスタルジックを味わえます

このレビューにはネタバレが含まれています

美猫

2021年2月24日 09時04分役立ち度：0人

総合評価： 4.0

兄の命日に、地下鉄のホームで学生時代の先生と出会う辺りから、少し異世界感が知らず知らずの内に広がってきている気がしています。振り返ると「兄の命日」「恩師は幽霊!?」が合わさって「奇跡」が起こっていった様にも感じています。それは恩師の「地下鉄はつながっていて、どこにでも行ける・・」という言葉がキーポイントになっていると思いました。
主人公の真次の頭の中で地下鉄が走り出すと、突如タイムトラベルをしてしまう所が面白かったです。その内に、自分だけでなく愛人のみち子までもが、一緒に過去に行けるようになるのは不思議でした。彼女が最後に大きな選択をしてしまう所が切なかったです。みち子が消えない世界も描いてほしかったです。
この作品の大きなテーマは、主人公が毛嫌いしていた父親の人生を身近に見ていく事で、父親の一面しか見ていなかった自分と、父親なりの愛情を子供達にも持って生きてきた事に気づける点だと思い、自分の両親もまたそんな人生だったのかなぁと思いを馳せられました。