合わない部分もあるけど間違いなく名作
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年9月21日 11時00分
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総合評価:
5.0
正直に言うと、この映画の鬱になりそうな後半と容赦ない結末はあまり好きではありません。
中でも、主人公のロ・ギスが英雄的兵士の弟であるが故に北朝鮮側の捕虜の間で模範的愛国者として期待され、本人も北朝鮮側の思想とダンスへの情熱の板挟みになって葛藤し、疲弊していく姿には胸が詰まりそうになります。
情熱も希望も全て壊されるラストには呆然となりますし、黒幕が逃げおおせてしまう結末にも後味の悪さを覚えます。
にも関わらず、それでもとんでもなく良い映画だと素直に思えるのがすごいです。
特に、あらゆる層での分断が叫ばれる現在ではより一層の価値がある映画だと思います。
思想やメッセージ等を別にしても、圧倒的な迫力のダンスシーンを筆頭に、ダンスチームメンバーの交流や絆、朝鮮戦争時の捕虜収容所の様子等、面白く興味深い部分が多く映画としての完成度は間違いなく高いです。
途中の「ダンスにはダンスで勝負」という展開が少年漫画のようで少し場違いに感じますが、他の長所や魅力がとにかく大きく、はっきりと名作と言える作品です。
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