何だこれは理解できない!という感覚を楽しむ映画
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年8月13日 11時12分
役立ち度:0人
総合評価:
3.0
「コカイン・ナイト」などのドラッグ小説の名手J・G・バラードの同名小説を、クローネンバーグ監督が映画化した作品です。よって、わかりやすく善良な映画であるはずがありません!非常に刺激的で、「これは一体何だったのか」と考え込むこともあるでしょう。倦怠期を迎えた夫婦は新たなる性的刺激を求めていました。そんなある日、夫は自動車事故を起こしてしまいます。車のひしゃげる様子、曲がっていく光。それらに快感を覚えた夫婦は、次第に交通事故で性的快感を得るという、アブノーマルが過ぎる世界にのめり込んでいくわけです。
交通事故がセクシーという何とも理解しがたい映画ですが、どのようなアブノーマルも決して禁止されているわけではないのです。夫婦は事故にのめりこみ、激しい事故の様子を求め続けるようになります。この落下していく過程がとても怖いです。対象が交通事故であっただけで、他のものとなる可能性もあったでしょう。
なにゆえ交通事故なのか。それはわかりませんが事故に遭遇して血を流しながらもキスをする夫婦を見ていると、幸せでよかったのか?いいのかそれで?という安堵の気持ちとこれからどうするんだろうという不安な気持ちに襲われます。
不思議体験をしたい映画好きにおすすめです。