名優ソン・ガンホを超える演技力のチルプン!
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年2月19日 08時56分
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総合評価:
3.0
以前、原作も読んだことのあった当作品。日本でも2度ドラマ化されているようですが、映像で見るのは本作が初でした。
私は韓国のクライムサスペンスが好きで過去に何作も観ているのですが、この作品はちょっと他とは毛色が違いました。
韓国ノワールに代表されるようなおどろおどろしさや過激な描写はほとんどなく、後半に至っては切なくて胸が締め付けられることが多々ありました。
だからと言って『感動作』と言い切ってしまうほど美しい話でもない。犯人とその娘に与えられた境遇はあまりにも悲惨で、彼らに同情し涙を流さずにはいられませんでした。
主演は名優ソン・ガンホ。安定の演技力と味を見せていますが、本作で完全に主役を食っていたのが狼犬、チルプン。
彼の目で訴える演技(本人?はその自覚は全く無いでしょうが)の素晴らしさと言ったら!特に最後のシーンでは、足の震え方や徐々に意識が遠のいていく目の動きなど、本当に銃で撃って撮影しているのではないか?と疑いたくなるほどでした。
クライムサスペンスに悲哀のエッセンスを加え、さらに愛犬家達の感情を激しく掻き立てるストーリー自体は秀逸ですが、この手の作品お決まりの、容易に想像できるありふれた展開だったのがやや残念。