卓球はこんなにもかっこいいんだ!
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年2月24日 19時50分
役立ち度:0人
総合評価:
5.0
卓球は世界最速の反射神経を競うスポーツだ!
これは劇中のセリフですが、卓球の球の速度を知っていますか?
卓球の初速は大体180km/h、卓球台の長さは2.74mしかない。相手に到達するまでに多少速度は落ちるし、平均速度はそれより落ちる。それでも平均100〜120kmだそうだ。つまり卓球台の上を球が通過するのに要する時間はわずが0.1秒ということになる。
この脅威的な速度で動く球を目で追い、体を動かし、球を打ち返す。この作業を0.1秒でこなす。
反射神経の化け物たちの戦いだ。
宮藤官九郎の軽快な脚本、演じる俳優たちの演技、劇中に流れる音楽。全てが完璧に調和しているケチのつけようのない作品。
冒頭の「I can fly!」から「ヒーロー見参!」まで目を離す暇はない。
ペコ、スマイル、アクマ、チャイナ、ドラゴン。あと、小泉先生とオババ。
全てのキャラクターを演じた役者の技術の高さに目を見張る。捨てキャラはいない。それぞれがそれぞれのかっこよさをもっている。
天才が挫折し、復活する話。一言でいってしまえばこれだけだが、人には感情の機微がある。演じる役者の息づかい、目の動き、醸し出す雰囲気。それを感じてもらいたい。
物語後半のスマイルが「おかえり・・・ヒーロー」と呟くシーンは涙なしには見れません。
これを見た人は卓球のかっこよさを知ってしまうことになります。