切なく、とても美しい映画
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年1月29日 17時11分
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総合評価:
4.0
個人的にすごく好きな映画です。
他作品との比較でいったん冷静になり4つ星に止めましたが、0.5刻みだったら絶対4.5付けてるなあ。
原作は先に読んでいて、大抵こういう場合「原作の方が良かった!」となることが多いのですが、これは違いました。
何より、出てくる風景がどこを切り取っても絵になり美しいのです。
冒頭の石田ゆり子が走っているシーンから一気に引き込まれました。あれはどこだろう??どこか海外だと思うんですが、本当にスクリーン映えする町並みで。
パリで二人が食事をするシーン、プラザホテルでの演奏シーン、ラストのセントラルパークでの再会と、あらゆるシーンが切なくそして美しい。とにかく、全編を通して漂う雰囲気がとても良いのです。
10代20代の青臭い恋愛モノとは一線を画す大人の恋愛映画。
私は恋愛モノはほとんど観ないのですが、これは主役の二人の年齢が高めなのがまた同世代の私にはグッと来ました。福山も石田ゆり子も良い意味で枯れていて(でも美しく)、それがなおさら切なさを誘います。
本当に主演の二人ありきの映画だと思うのですが、それ以上に隠れたMVPが桜井ユキ。
取り返しのつかない事をしてくれちゃうし、横取りはするし。ある意味とんでもない女なはずなのに、ついつい共感してしまいこちらまで苦しくなってしまうほどの名演技なのです。