勧善懲悪かと思いきや・・・?
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年9月2日 14時06分
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総合評価:
4.0
部下からの信頼が厚く戦歴もある主人公が、奴隷にまで身分を落とし、王に対して復讐を誓うというのが主なストーリー。残酷なシーンも出てくるので、苦手な人は要注意です。
古代ローマのコロッセオで戦うグラディエーターとなった主人公は、その強さとグラディエーター仲間とのチームワークでどんどんのし上がっていき、観衆の中には彼のファンまで続出します。何も悪いことをしていない主人公は、いわゆるヒーロータイプ。善悪で言えば善でしょう。
対する王は、愛する姫が思いを寄せる主人公に嫉妬した挙句に主人公を陥れ、政治に関しても無能で、民衆からの支持は皆無。コロッセオで主人公と対決するシーンでは、民衆は王ではなく奴隷身分となった主人公を応援する始末です。一見すると単なる愚王でしょう。
こうした簡潔な構図とストーリーでいわゆる勧善懲悪モノと思われがちですが、この王の悲哀にも目を向けると面白い見方ができます。
愛する姫や民衆からの関心や愛情をただひたすらに求めた、寂しい男なんです。こういった人は、現代日本にも存在するのではないでしょうか?
主人公の復讐劇を応援するも良し、「人は寂しさには勝てない」なんてことを思いながら王の姿を見るも良しです。