ボンドの進化 〜愛する人を、今度こそは守り抜く〜
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年8月10日 20時46分
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総合評価:
5.0
カジノ・ロワイヤルから続く、俳優ダニエル・クレイグが扮するボンド。
実は、ダニエルの007シリーズにおいて、基本的に、ボンドと関係を持ったボンドガールと呼ばれる女性たちは、皆、その作中で亡くなります。
※スカイフォールでボンドを水中落下から救った、正体不明の女性のような例外もあります。そもそも、その女性は正体不明であることから、ボンドガールの位置づけには無いかとも思われます。
※マニーペニーをボンドガールとする声もあるかもしれませんが、彼女は例外です。
※ダニエルより前の007シリーズでのその詳細については、恐縮ながら、はっきりと存じ上げません。
ボンドガールの一人に、前作カジノ・ロワイヤルで、ボンドが本気で愛したヴェスパーという女性がいます。
彼女を失ってから、ボンドは人を愛することに恐怖を覚えてしまったはず。
もう、本気の恋はしないと、恋愛に関して心を閉ざしていたかもしれません。
以下に、それを前提とした視点で、本作品におけるボンドの本気の恋を語ります。
ヴェスパー以来、本気で恋をすることに、心を閉ざしていたかもしれないボンド。
しかし、その矢先、かつての宿敵、ミスターホワイトの娘であるマドレーヌと出会います。
マドレーヌと行動をともにするうちに、2人は熱い恋に落ちます。
しかし、ボンドガールは往々にして、命を落とすというジンクスがあります。
(それは"映画"としての設定であっても)ボンドは過去の経験から、マドレーヌを失うかもしれない恐怖があったことでしょう。
ストーリー終盤、案の定、マドレーヌは敵であるブロフェルドに人質として捉えられ、命の危険に晒されます。
彼女は、旧MI6本部に監禁され、その建物は爆破予告を受けたのです。
彼女がどこかにいる建物内を、必死になって探すボンド。
ブロフェルドは、ボンドを葬り去るつもりでしたが、そこは愛のパワーでしょうか。
ボンドは決死の捜索で、マドレーヌを見つけ出します。
そしてボンドは、油断したブロフェルドのヘリを撃ち落とし、ブロフェルドは逮捕。
今度こそは本当に一件落着し、ヴェスパーの時のジンクスを打ち破り、2人は結ばれたのでした。
私は、ひとりの男ボンドが、過去のジンクスを打ち破り、本物の幸せを手にしたストーリーを心から嬉しく思います。
また、本作にはもうひとりボンドガールがいます。
序盤にメキシコにて、ボンドが戦った犯罪者の妻、ルチアです。
実は、ルチアも、ボンドと関係をもったボンドガールであるにも関わらず、ボンドのサポートにより、本作では命を落としていません。
私は、今作でボンドガールが誰も命を落とさなかった実情を、ボンドの成長と捉えています。
前作までに、ヴェスパーやM(私はボンドガールと認識しています)、その他の尊い命を守れなかったという後悔の念が、ボンドを成長させたのであろう思っています。
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