アシタカに幸せになってほしいという気持ち
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年8月20日 16時51分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
本作品では、いつも人間の矛盾について考えさせられます。
どの登場人物にも、「優しさ」なるものが見受けられますが、大抵の人物は、自分も含めたある特定の人たちを守りたいがために、自分たち以外の人を利用する、攻撃するといった描写がなされていると思います。
そして、その中立にいる存在が、アシタカではないでしょうか。
アシタカは、恐らく「特定の人」たちを守るのではなく、自分にとっての「正しさ」を軸に生きていると思われます。
そのため、「どっちの味方なんだ!?」と、アシタカが劇中に指摘される場面がありますが、誰かの味方をするという価値観はなく、いうなれば、皆の味方であるからこそ、そのように捉えられてしまったのでしょう。
登場人物たちは、皆それぞれ言い分があり、それぞれの行動を行っているように思いますが、中立でより平和な価値観をもつのはアシタカだけに見えます。
そしてアシタカの価値観は、差別なく、全世界の人たちの平和を望む、現代の価値観に近いような気がします。
そしてラストでは、サンと結ばれたアシタカですが、お互い別々の場所で暮らすことを選びます。
それは誰の味方でもないアシタカこその選択だと思うのですが、最後に関しては、一番一緒にいたいと思われる、もののけ姫サンと、生活を共に過ごすという、アシタカにとっては少し甘えた選択をして、自分自身の幸せももっと追求して欲しかったという気持ちにもなりました。
しかし、時代や、劇中のアシタカの立場では、それも仕方がない選択であったのかもしれませんね。
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