「世界平和、SDGSについて語られている映画だと思う。」もののけ姫 nanae7nekoさんの映画レビュー

もののけ姫 Princess Mononoke

世界平和、SDGSについて語られている映画だと思う。

このレビューにはネタバレが含まれています

nanae7neko

2021年8月28日 22時02分役立ち度：0人

総合評価： 5.0

なんと言っても映画音楽の素晴らしさと、アシタカとサンの若々しい生き様、動物たちや神の禍々しい様子が見所の映画です。
アシタカは自分の呪いを解いて生きていくため、サンは自分らしく山犬の家族と生きていくため、たたら場の女主人は女性蔑視の時代に同じ女性や病気で苦しむ人たちを守って、自分らしく生きるために戦っています。ひょっとすると、シシ神の頭を欲しがった人たちも生きていくためにどうしても必要だという考えに囚われてしまったのかもしれません。
みんな生きていくために必死です。生きていくために自分ができる最善のことをしているだけで、他人の命や土地を脅かすことになります。誰かの願いが叶うと誰かの願いは叶いません。そんな世界でみんなが幸せになるためには、一体どうしたらいいんだろうかという大きなテーマを内包している作品だと思います。自然は大切。だけど、自然を守ってばかりでは人間は生きていけない。でも自然を守らないと、自然に人間は殺される。うまくそこをバランスを取ってやらなければならない。人間関係もそうで、バランスが大切。そのためには他者を思いやる気持ちが不可欠で、それは人対人だけではなく、万物に言えること。擬人化してもいいし，どう考えるかは自由だけど、自分のことばかりでは世界全体がだめになる。そんなことを考えさせられる映画でした。
だから、とても気になるのが、シシ神の森ではなくなったし、タタラ場でもなくなった場所はいったいあの後どうなって，もののけ姫は一体どうなったのかということです。観客に判断を委ねるような最後になっているなと思いました。