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「原作小説やアニメは傑作と言われるのにどうしてこうなった・・・」 SHINOBI Marchantさんの映画レビュー

SHINOBI Shinobi: Heart Under Blade

原作小説やアニメは傑作と言われるのにどうしてこうなった・・・

2021年2月17日 22時01分 役立ち度:0人
総合評価: 2.0
原作は忍者小説の金字塔である山田風太郎のベストセラー小説「甲賀忍法帖」

時は江戸時代。太平の世が近づくが老いも目立つ征夷大将軍・徳川家康は家臣の忍者、服部半蔵の配下である「甲賀卍谷」/「伊賀鍔隠れ」2人の棟梁を呼び寄せる。

かつて初代服部半蔵が「不戦の約定」を定めるまでは血で血を洗うほどの戦を繰り返す怨敵同士だとお抱えの僧侶、南光坊天海から聞いた家康は両里にある命令を下す。

世継ぎの長男「竹千代」と次男「国千代」双方の側に別れて互いの持つ忍法を尽くし殺し合うこと。そして勝った方が次の世継ぎとして迎えられ、里は一族千年の永禄を約束するというものでした。

そのことを聞いた卍谷棟梁・甲賀弾正と伊賀鍔隠れ棟梁・お幻は内心愕然とする。なぜなら、互いの孫息子・孫娘の祝言で和睦を結び400年の宿怨に終止符を打とうとした矢先の出来事だったのだ。

断れば上司である半蔵の顔に泥を塗ることになり、報復として両里を滅ぼされる可能性を危惧した2人は従わざるをえなかった。400年続いた不戦の約定が解けたことなど知らない弾正の孫、弦之助とお幻の孫娘、朧は楽しみである山歩きの逢瀬を終えていた。

そして各々の里に戻った弾正とお幻から、約定の解禁と里の腕利きの忍5名の名前を記した人別帖を読み上げられる。当然、次期棟梁として2人の名前が記されていた。何かの間違いに違いないと考え、家康がいる駿府城に向かおうと考える弦之助。

しかし、その後弾正はお幻と里から離れた河原で相討ちの状態となり、帰らぬ人となってしまった。弦之助は残った配下の忍である室賀豹馬、筑摩小四郎、如月左衛門、陽炎を連れて事の次第を尋ねるために駿府城へ向かう。

一方、お幻が死んだことで副棟梁である薬師寺天膳は朧に付き従うと宣言し、夜叉丸、蓑年鬼、蛍火とともに甲賀衆の後を追いかける。愛する弦之助と戦いたくない朧だが、無情にも時代は後戻り出来ない現実を突きつけていく。

映画では弾正含めて6人の忍者達ですが、原作では10人、総勢20人己が忍術を用いて死力を尽くして相戦います。現在ではパチスロにもなっているアニメ「バジリスク〜甲賀忍法帖」の方が馴染み深いですが、こちらの作品を観てからバジリスクを観るとより違いが見えます。

原作から実写へと生まれる作品の多くが失敗例となるケースだが、この作品も例に漏れず。そもそも2時間という尺の都合で無理やり人数を減らすのもいかがなものかとも思う。

しかし全てが悪いわけでなく強いて言うと以下が自分で納得できる部分があった。

・仲間由紀恵さん演じる朧はアニメ版や原作と比べると忍びの長としての自覚を早い段階から持っていくことが出来ている強い女性として描かれているのが自然と見れた。(逆に弦之介が駄々をこねる子供っぽく描写されている)

・原作・アニメではあまり描かれなかった上役である半蔵に逆らった場合、どうなるかが正確に描写されている。
詳細評価
  • 物語
  • 配役
  • 映像
  • 演出
  • 音楽
イメージワード
  • ・悲しい
  • ・切ない
  • ・ファンタジー
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