黒人と白人は仲良くなれるか
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年8月5日 08時17分
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総合評価:
5.0
まだケネディが大統領だった時代に、黒人が南部に行くというのは本当に大変な事だったのです。これは黒人と白人が南部の様々な街を移動していくロードムービーみたいなものなのですが、何かしようとする度に問題が出てくるという感じで差別の奥深さを感じました。黒人が雇用主で白人が使用人という立場なのも当時としては珍しかったでしょう。トニーリップは黒人を毛嫌いしているのがわかるコップをゴミ箱に捨ててしまう場面があるのですが、ここからよくこの仕事を受けたなという感じがするほどです。でも彼は黒人がどうこうというよりその時の気持ちで動いてしまうだけで、深い悪気はないんじゃないかと思ってしまうのです。それよりもスーツを買いに寄った店での主人の態度やレストランで食事を拒否したホテルの人間の方が、丁寧な言葉を使っていてもものすごく気分を悪くさせる人間でした。南部のしきたりといった言葉で拒否するのですが、これってなんなんでしょうね。人種間の差別というのを身近で感じにくい日本人には、本当に理解するのは難しいかもしれません。ただトニーの黒人の音楽は最高だとラジオを聴きながら言う場面や、ドクターシャーリーがほとんど代筆したような手紙の部分はほのぼのします。ツアーが終わってクリスマスになってシャーリーがトニーの家に来た時に笑顔になれた場面は、本当にいいですね。
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