映像と歌は良し、ストーリーは・・・
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年8月14日 14時57分
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総合評価:
3.0
まず、圧倒的映像美。ネットの世界である「U」の世界の彩りや綿密な世界観は、大画面で見るべきだ。そして、主人公のすずを演じた中村佳穂の歌声が素晴らしかった。現実世界のすずの時と、「U」の世界のベルが歌う時とで声質が全く異なり、彼女にしか演じられないキャラクターだったと感じた。特に序盤で流れた「U」は、痺れた。まるで中村佳穂のライブに来ているかのような興奮を覚えた。
音楽と映像が良かったからこそ、ストーリーの穴が目立った。主人公の友人間で行われる恋愛模様のシーンが長丁場であったり、すずが執拗に父と言葉を交わさない理由が分からなかったりと、もう少し展開を切り取る部分と語る部分をうまく調整してほしかったと感じた。展開が盛り込まれる割には、それぞれの人間関係が掘り下げられていないので感情移入しにくい部分があり、あまり話に入り込むことができなかった。
また、「美女と野獣」を意識したシーンが多く見られたが、これはパクリなのか、オマージュなのか。このシーンは正直見ていて恥ずかしくなってしまった。
そして、Uの世界はオンライン上の世界であるためしょうがないのかもしれないが、アニメ声のキャラクターが多く、少し胃もたれする部分があった。