よく練られた作品
このレビューにはネタバレが含まれています
2020年7月5日 09時48分
役立ち度:0人
総合評価:
4.0
人に全く興味がなく、友達のいない少年と、クラスの人気者だが、膵臓の病気を患い、余命わずかな少女の物語。少女は、余命わずかだと知っても態度を変えない少年と過ごすことに居心地の良さを感じる。少年は少女と関わるうちに、人と関わることに興味を持つ。少女は人に興味のなかった少年から必要とされることで自分の存在の意味を感じる。友達、恋人という枠ではなくお互いに必要な存在となっていき、「君の膵臓を食べたい」という言葉が2人の中で同じ意味をもつようになる。
物語の最初に何気なく登場した「君の膵臓を食べたい」という言葉の意味が、少年と少女が関わるなかで変化していき、2人だけの共通の意味となるところに感動する。