家族、社会の中で生きるということを考えさせられる映画
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年2月24日 14時21分
役立ち度:1人
総合評価:
4.0
本当の家族とは何か、現代の社会で生きるとは何かを考えさせられる映画だと思います。
一家は万引きという犯罪行為で生計を立てていますが、家の中には温かい雰囲気があり、彼らはお互いに協力し合って生きています。
ただ仲が良いというわけではなく、彼らは自分が置かれた状況を投影しあっているように感じました。それぞれが持つ心の傷や闇の部分を共有して、肩を寄せ合って生きているように感じました。信代の事情聴取のシーンがそれを象徴していると思います。
家族や社会からはじき出されたと感じている彼らが、この“家族”に自分が求めているものを見つけたのだと思います。居場所を感じられる所が家族なのだと描かれているように感じさせます。
保護されてからの祥太の様子を見ると子供にとっての生活環境が子供に大きな影響を与えることが分かります。一家は肩を寄せ合っていくことしかできない状況でしたが、ただ彼らに同情するだけではなく社会全体の問題として考えられるテーマも盛り込まれている映画だと感じました。
見終わってから色々と考察できる映画です。