家族とはなんだろうと考えさせられた
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年5月18日 16時15分
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総合評価:
4.0
ショッキングな映画タイトルに興味を持ち前情報なしで鑑賞した作品です。
鑑賞後の感想として、「家族って一体なんだろうな」と一人で深く考え込んでしまいました。
血が繋がっているからというだけで、その血縁と言う関係の名のもとに、ギリギリで取り繕われているような家族が今の日本にはたくさんある気がします。絆も愛情も思いやりも言葉だけ、形骸化したような薄っぺらい「家族」という関係。
一方、万引き家族の中で描かれた家族は、皆それぞれに後ろ暗い事情を抱えながらも、肩を寄せ合って静かに暮らす穏やかな一家。
それぞれの犯している犯罪や悪事は決して褒められたものではありませんが、それを抜きにしても、確かなぬくもりを感じる「家族」という関係。
一体歪なのはどちらなのだろうか…という気持ちになりました。
元々が危うい水際に立ったような生活だった家族がラストにかけてあっけなく崩壊していく様子に虚しさややるせなさがありましたが、これも「血の繋がり」がないゆえのあっけなさなのでしょうか。
今一度家族の在り方を考える、ではありませんが、いろいろと考えさせられる作品でした。