これで本当に終わり?まだ続けてほしい。
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年9月23日 11時03分
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総合評価:
4.0
ランボーシリーズの第一弾の原題はファーストブラッドであれから40年も経ってしまった。この映画は同シリーズ5本目だが、これで終わりと告げた題名だろうか。今までの作品は政治的なメッセージがあって、敵は、米国政府、北ベトナム、ソ連、某アジアの独裁国家だったけど、さすがに疲れてきたのか最後は普通のクライム映画によく出てくる悪党集団になってしまって、ちょっと志が小さくてがっかり。ただ、悪党と警察の下っ端らしい奴らの癒着が見え、どうしようもない強い敵に一人で立ち向かうコンセプトは残っていてうれしい。話としては、ありがちな籠城して向い打つ相手に色々な仕掛けで敵をやっつける、例に挙げるのはおかしいけど、ホームアローンの大人残酷版といったところか。攻めてくる悪党は何の作戦もなく次々ただ殺されていく。戦いも周到な準備と創意工夫があれば、大勢でもバカな敵には勝てるという教訓ですかね。しかし、相変わらず見ている者への敵への復讐心を煽る演出はお見事。アクション映画とは言え、やはりランボーの詩的なセリフがあり、この部分は繰り返して見たいところだ。途中、1960年代後半ベトナム戦争が激化した頃、米国で人気を極めたドアーズの曲が使われていた。ドアーズといえば、ベトナム戦争を描いた「地獄の黙示録」でもテーマ曲として使われた。やはりランボーの底を流れるテーマはベトナム戦争のトラウマだから、ここで使われた意味も分かるような気がする。
一つ、ランボーシリーズがお好きな方は気づいたと思うが、映画の冒頭でランボーに命を救われた女性がランボーに例を言うシーンがあった。これはランボー2の最後でランボーに助けられた米兵士と同じ仕草でうれしくなった。映画を根詰めて見ると、こういう映画製作者側の遊びがありこれを見つけるのも楽しい。