電人ザボーガー
秘密殺人強盗機関Σ(シグマ)に父・大門勇(竹中直人)を殺され、復讐(ふくしゅう)を誓う大門豊(板尾創路、古原靖久)は、地球の平和を守るため、亡き父が作った変形型のバイクロボット“ザボーガー”と共に日々戦い続けていた。そんな彼の前に敵の女サイボーグ、ミスボーグ(山崎真実)が現れ、大門は好意を抱くようになるが……。
1974年~75年に放映された特撮作品をリブートした映画ですが、昭和の特撮作品へのオマージュを多数盛り込みつつ、現代的なアレンジも加えたヒーロー映画になっていました。 この映画は、主人公の大門豊が22歳のときの第1部、47歳のときの第2部に分かれており、それぞれで作風に違いがあります。 第1部は昭和の特撮作品の影響が色濃く、各種演出やエフェクトも古いものを使うというこだわりようで、大門の性格も真面目な熱血漢というオーソドックスな展開です。 一方、第2部では第1部の設定を引き継ぎつつも、大門が仕事をクビになったり、シュークリームの食べ過ぎで糖尿病になっていたりと雰囲気が大きく異なりますが、徐々に大門が再起していく流れはとても熱いです。 また、全編を通してギャグシーンが所々にあるのですが、普通に笑えるものもあれば、何を見せられているのか…と頭を抱えたくなるものもあり、好みが別れそうなところです。 しかし、ヒーロー映画として見た場合、第1部と第2部で雰囲気に違いはあっても「弱い者を守るために強大な悪と戦う」というテーマは一貫しており、十分に良作と言えます。 流石に盛り込まれた内容の割に尺が短かったのか、全体的に駆け足気味な展開で、説明不足だったりシリアスなシーンとギャグシーンの切り替えが急だったりと気になる点もありますが、同時に制作者の熱量が大いに感じられる作品です。
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