ドクター・ストレンジの台詞「Scooby-doo this shit」は、即興で適当に言っているわけではありません。ドクター・ストレンジはマーベルのキャラクターで、その権利は現在ディズニー社が所有しており、一方、探偵犬のアニメキャラクターであるスクービー・ドゥーはライバルスタジオのワーナー・ブラザーズが所有しています。この大物たちの間には、1990年代半ば、ディズニーの実写/漫画マッシュアップ『ロジャー・ラビット』(1988)でワーナー側がルーニー・テューンズのキャラクターの一部を使用させて、両社の協定に反対したときから長い確執が続いています。その後、ワーナーズが長編映画『スペースジャム』(1996年)でバスケットボールの試合の審判をディズニーのキャラクターにやらせようとしたため、ディズニーはこの契約を破棄し、両スタジオの間に悪しき因縁が生まれたのです。それ以来、両スタジオは、それぞれの役員や弁護士を困らせるために、ファミリー映画の中に互いを微妙に揶揄する言葉を挿入するようになりました。ドクター・ストレンジのこのセリフは、その長い歴史の中の最新のものです。この映画はディズニーとソニーの共同制作ですが、ピーター・パーカーやスパイダーマンが登場するわけではありません。