本気の馬鹿馬鹿しさを堪能する一本
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年5月21日 10時27分
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総合評価:
5.0
原作の時点でも相当な馬鹿馬鹿しさだったのに、映画ではそれをさらにスケールアップさせ、多数の豪華キャスト出演で、大真面目に馬鹿馬鹿しい世界を繰り広げているのが、最高にクールな作品です。
この映画が成功した点として、未完の原作の要素をさらに膨らませて、埼玉vs千葉の永遠の二番手争いという分かりやすい図式に持ち込んだこと。(ちなみに監督は千葉出身だそうです)
それと原作部分を「かつての都市伝説」と位置付け、それを知ることになる現代の埼玉県民という、二つの異なるパートでストーリーが展開することによって、原作由来の古い埼玉のイメージと現代の埼玉事情の二つが、違和感なく一つの作品に共存しているという点にあると思います。
コミックの映画化はファンをガッカリさせる物が多い中、大幅な改変を加えてなお高評価を受けたというのは、本作にかける製作サイドの本気度の高さを感じられるからだと思います。
世界観を体現した豪華な衣装や細部までこだわったセットに、ハマり役とも言えるキャスティングや実際に都庁で撮影された大規模なラストシーンなど、娯楽作品を本気で作り上げようとした人々の熱意が感じられる、無条件で笑って楽しめる一本です。