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「「誰かに必要だと思われること」は、どんなに素晴らしいことかを教えてくれる映画」 バグダッド・カフェ dreamerさんの映画レビュー

バグダッド・カフェ Bagdad Cafe

「誰かに必要だと思われること」は、どんなに素晴らしいことかを教えてくれる映画

2024年2月19日 08時55分 役立ち度:0人
総合評価: 5.0
この映画を知らない人でも、多分、主題歌である「Calling You」は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
私もこの曲を聴いて、ああ、この映画の主題歌だったのかとびっくりしました。

この映画は「バグダッド」なんていうのがタイトルに入っているので、中近東が舞台の暗そうな映画かなと思っていたのですが、とんでもない、舞台はアメリカ。
砂漠のハイウェイで、とある夫婦が喧嘩をするシーンから、この映画は始まります。

太った奥さんの方が、怒って車から降りてしまい、歩き出します。
夫は奥さんの身を案じて、コーヒーの入ったポットを道に置いていきます。
それを拾って帰るのが、「バグダッド・カフェ」という店の主人。
砂漠の1本道沿いにある、このお店がこの映画の舞台となります。

ここは、ガソリンスタンドとモーテルとカフェを細々と経営している埃だらけの汚い店で、女主人のブレンダという黒人女性は、夫がポットを拾ってきたのを知り、あった場所に戻してこいと、ガミガミ怒りだします。
ブレンダは、いつもあまりにうるさいので、夫はとうとう家出をしてしまいます。

夫と喧嘩して車から降りたのは、ジャスミンというドイツ人の女性。
彼女は太っていて、とても無口。
反対に、ブレンダは怒りっぽくて、いつでも大声で不平不満をわめきちらしているんですね。

夫に出て行かれてからは、益々、それがひどくなり、誰にでも当たり散らすのですが、夫がいないので、仕方なく町に買い出しに行っている留守に、ジャスミンが店を綺麗に掃除するんですね。
このあたりから、様子がどんどん変わっていくんですね。

まず、目を見張るのが、「色」ですね。
砂漠を表現するために、黄色、赤、青などのフィルターをかけたような色の画面が出てきます。
短いショットの多用もあり、観ている者の目にも焼き付くんですね。

そして、セリフの少なさも、この映画の特徴の一つで、特にジャスミンは、ほんとにしゃべらないんですね。
ドイツ人だからという、わけがあるからでしょうけれど、話せばけっこう上手に英語をしゃべるのに、ブレンダのように饒舌ではありません。

だから最後まで、ジャスミンはミステリアスな存在なんですね。
セリフではなく、映像で語らせることに成功している映画だと思いますね。

とにかく、「誰かに必要だと思われること」は、どんなに素晴らしいことかを教えてくれる映画なんですね。

最初は暗い表情の登場人物たちが、ジャスミンの登場、そして彼女の色々な行動が進むにつれて、生き生きとしてくるんですね。

特に、ブレンダの変化は驚くばかり。
ラスト近くになると、そこはまるでラスベガスのような陽気さになっているんですね。

こんな素敵な映画を作った、パーシー・アドロン監督に感謝したい気持ちになりました。
心の底から感動した名作です。
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  • 物語
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  • 演出
  • 音楽
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