バベル
モロッコを旅行中のアメリカ人夫婦のリチャード(ブラッド・ピット)とスーザン(ケイト・ブランシェット)が、突然何者かによって銃撃を受け、妻が負傷するという事件が起こる。同じころ、東京に住む聴覚に障害を持った女子高生のチエコ(菊地凛子)は、満たされない日々にいら立ちを感じながら、孤独な日々を過ごしていた……。
この映画は、バベルの塔の建設がきっかけで世界の言語が分かれ、互いの意思疎通ができなくなったという、聖書の逸話をメタファーとして掲げた作品だ。 メタファーからわかることだが、この映画を一言で語るならば、愛のすれ違いを描いた作品と言えるだろう。 映画の中で悪いことなどしていない、愚かなことをしただけだ、といったニュアンスのセリフをメキシコ人の家政婦が口にしているが、そのセリフが映画全体を象徴しているように思う。 その愚かしい、言うなれば、強情な意地から、夫婦や親子や兄弟の愛のすれ違いが生まれているという印象を受けたからだ。 さすがにアカデミー賞にノミネートされるだけあり、菊池凛子演じるチエコの孤独が丹念に伝わってくるのが印象深い。 だが個人的にはテーマの描き込みが言葉足らずという印象があり、ラストの親子で抱き合うシーンもさして心には響いて来なかった。 それにエピソードとしても、この日本編だけ浮いている。 聾啞の少女の孤独の描写は良かったが、脚本段階で思い切って削除してしまう勇気も欲しかったところだ。 この映画には、構成や物語の作り方において、いろいろと問題点はあると思う。 しかし、愛のすれちがいを丁寧に描いており、感動的な余韻を残していると思う。 人によって好き嫌いは分かれそうな気がするが、個人的には大好きな作品だ。
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