戦艦「大和」建造に隠された欠陥を暴く菅田将暉
このレビューにはネタバレが含まれています
2021年2月18日 13時17分
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総合評価:
3.0
2021年の今年にドラマ続編が出る「ドラゴン桜」の三田則房先生の作品が好きなので、本作をチョイス。
菅田将暉さん演じる櫂直の偏屈な性格をよく演じていて見てて楽しかった。
巻尺片手に何でも図る、足の歩数で戦艦の見取り図を忠実に再現する櫂はある意味で狂気染みてる。しかしそれは、おもちゃを与えられた子供みたいに純粋なんですよ。純粋であるが故に、周りからは偏屈者と揶揄されても、どこ吹く風で毅然とできる。そこが魅力。
作品全体は独自の解釈があると思いますが2時間10分という尺の制限がある中で新鮮で、かつ面白い。
戦時中の陸軍本部は山本五十六がいる海軍と違って「鬼畜米英!!」と叫ぶことで、大局を見失っている現実を見ないという描写は往々の作品で良く見る。
だが本作に出てくる戦艦大和の設計者で櫂と対峙する平山忠道中将はその軍の中で異質な存在として描写されている。
櫂に間違いを正されても、常に冷静沈着で潔さはある。しかし、その真意をのちに聞かされる櫂の立ち位置を食うような印象を持っている平山中将。
演じる田中泯さんは「るろうに剣心」の翁役で見覚えがあったが終始何を考えているか解らない不気味さを醸し出していた。
史実と比べて創作と分かっていても考察というドキドキ感を味わえる。その醍醐味を本作はかなり味わうことが出来る。